2017年04月24日

食べなくても生きられる? ダイオウグソクムシの神秘

海にはまだまだ、人間の知らない世界がねむっているといいますか…本当におどろくべき存在、それがダイオウグソクムシです。 この生き物いったいなにがすごいのでしょうか。 ずばり「食べなくても生きていける」のです。日本の水族館で飼育されたダイオウグソクムシが、なんと5年以上もなにも食べずに生きつづけるという、大変な記録を作りました。 どうして食べなくても大丈夫なのか? ダイオウグソクムシとはなに者か? そのなぞにせまってみましょう。

 

巨大なダンゴムシ?

ダイオウグソクムシとは、そもそもどんな生き物なのでしょう?
 
等脚類(とうきゃくるい)という種類にふくまれます。みなさんの身近な生き物でいうと、ダンゴムシとおなじ仲間です。
 
たしかに、なんとなく形が似ていますね。
とはいえ、体長は19~36センチほどですので、ダンゴムシとはくらべ物にならないほどの大きさです。
 
4本の触覚(しょっかく)、14本の脚をもち、またそれとは別に「遊泳脚(ゆうえいきゃく)」という、泳ぐためのヒレ状の脚があります。
よって、歩くことも泳ぐこともできるのです。
 
住んでいる場所は、メキシコ湾などの深海の底です。
 
 

どうして食べなくても、生きていけるの?

さて、このダイオウグソクムシ、どうして食べなくても生きていけるのでしょうか。
 
残念ながら、その答えは分かっていません。
 
国内のダイオウグソクムシが、5年1ヶ月の絶食の後に死んだとき、学者や水族館の人たちがいろいろと調べてみました。

 

まず、長いあいだ食べていなかったにもかかわらず、体長も体重もあまり変わっていなかったというのです。
 
次に、死がいを解剖してみると、不思議なことが分かりました。
胃の中に、なぞの液体が残っていたのです。液体は胃がいっぱいになるほどたくさん入っており、生臭いにおいがしたといいます。
 
「この液体が、食べなくても生きていけるヒミツなのか?」
 
そう考えた学者たちが、いっしょうけんめい調べたのですが、結局、液体についてはよく分かりませんでした。

 

もっとも、ダイオウグソクムシと絶食について、分かってきたこともあります。
 
絶食の後に死んだダイオウグソクムシを調べたところ、身体の状態はとてもよかったため、「飢え死にしたわけではない」と結論づけられました。
 
また、エサを食べずに生きているダイオウグソクムシが他にもいることから、「ダイオウグソクムシは絶食に強い」と考えられているようです。

 

ダイオウグソクムシが「食べなくても生きていける理由」は、まだよく分かっていません。これからの研究によって、明らかになることが期待されます。

 

海底では死がいを食べる「海のそうじ屋」

このダイオウグソクムシ、海の中ではいったいなにをしているのでしょうか?
 
なぞの多い生き物ですが、どうやらほかの生き物の死がいを食べて生きているようなのです。
海の底に沈んできた、大きな魚やクジラの死がいを主食にしているといわれています。
 
大きな相手でも、死んでしまっていればこわくないですし、逃げられることもありません。動かないダイオウグソクムシには、いかにもふさわしい食事ですよね。

 

また、ダイオウグソクムシが海の底に沈んできた死がいを食べてくれるため、海の底がキレイになるという面もあります。
そのため、ダイオウグソクムシは「深海のそうじ屋さん」とも呼ばれているのです。
 
いつもじっとして動かないダイオウグソクムシですが、海の役に立っていたのですね。
 
 

なぜかみんなの人気もの! ぬいぐるみまで!

ダイオウグソクムシは、決して見た目がはなやかな動物ではなく、これまであまり研究もされてきませんでした。
 
しかし最近になって、「絶食」がニュースになったり、不気味な見た目が返っておもしろいと注目されたりと、人気になっています。
 
なんと、人気のあまり、ダイオウグソクムシのぬいぐるみまで出たというのですから、おどろきです。

 

とにかく、ダイオウグソクムシについては、絶食のなぞもふくめ、まだまだ分からないことがたくさんあります。
 
もし、これを読んでいる人のなかに、生物学者になる人がいたら……ダイオウグソクムシのなぞに挑戦するのも、おもしろいかもしれませんね。

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「こんにちは!ジンベエさん」編集部

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