2017年03月09日

のろまなんて嘘? マンボウの真実

おちょぼ口と頭だけの魚といった見た目がなんともユーモラスなマンボウは、水族館で一、二を争う人気者です。
「泳ぎが下手でクラゲのようにぷかぷか浮いている」など、マンボウはのろまだ、とまことしやかに噂されてきました。しかし、最近になってこれまでの「のろまなマンボウ」像を覆すような真実が次々と発見されています。

ギネスブックにものっているマンボウ

マンボウは最大で全長3メートル以上、重さ2トン以上になるともいわれています。1トンは1,000キログラムなので、2トンは2,000キログラムにもなります。自分の体重と比べてみると、あまりに重すぎてびっくりしてしまうかもしれませんね。
また、マンボウは1匹のメスが産む卵の数が多いことでも知られており、その数は3億個ともいわれています。マンボウは日本を含む熱帯から温帯に広く分布していますが、沖合で生活しているため、岸近くで見かけることはまずありません。クラゲのようなゼラチン質の動物プランクトンの他、イカや小魚、甲殻類などを食べています。
 

マンボウは本当にのろまなの?

水面にぷかぷかと浮いているマンボウは「昼寝をしている」と冗談で言われるほどのんびりやな印象をうけます。しかし、昼寝をしていても危険を察知するとすぐに深くへ潜るなど、俊敏な動きをすることもあります。
実はこのマンボウ、水面近くを漂っているかと思えば深海まで潜ることができるとわかってきました。マンボウに小型の記録計をとりつけ数日間観察したところ、「いつも水面に浮かんでいる」はずのマンボウは時には水深800メートルまで潜ることがわかりました。なぜこれほどめまぐるしく移動するのかは不明ですが、天敵から身を守るため、餌を探すため、と推測されています。
また、マンボウは1日に25キロメートル以上、時速1.4~8.6キロメートルの速さで泳ぐことができます。この速さはサケやカジキ、外洋性のサメ類に近いタイムですから、決してマンボウはのろまではないとわかるのではないでしょうか。
 

日本にはマンボウは何種類いる?

最近になって、日本にはマンボウが2種類いることがわかってきました。いわゆる「マンボウ」は、おしりの部分が波状になること、大きくなってもおでこがでっぱらないことが特徴です。反対に、「ウシマンボウ」と呼ばれる種類は、大きくなるとたんこぶができたようにおでこがでっぱること、おしりの部分はなめらかで波状にならないこと、で「マンボウ」と区別できます。マンボウ、ウシマンボウともに2メートルを超すほど大きく育ちますが、マンボウは大きくなるにつれ冷たい水を好むのに対し、ウシマンボウはマンボウよりも暖かい水が好きなようです。

 

マンボウとウシマンボウは日本へやってくる道が違う?

日本では、マンボウはウシマンボウよりも数が多く、小笠原諸島と琉球列島を除く日本全域から報告されています。一方、ウシマンボウは仙台など東日本の太平洋側、琉球列島、小笠原諸島で見つかっています。では、この違いから推測されるマンボウとウシマンボウの回遊ルートはどのようなものでしょうか?マンボウは太平洋・日本海のどちらでも、特に太平洋岸でよく見られることから、黒潮にのって日本へ現れると予想できます。一方のウシマンボウは、西日本の太平洋岸や日本海では発見されていないことを考えると、小笠原諸島方面から三陸沖へ北上すると推測できます。よく似た外見のマンボウとウシマンボウですが、日本へ来る道のりがこうも違うのは面白いですね。
 

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「こんにちは!ジンベエさん」編集部

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