2017年03月09日

毎年毎年大移動!こわ~いホオジロザメにも「カフェ」がある?

映画ですっかり「人食いザメ」の代表格となったのがホオジロザメです。全長は4~6.4メートル、大きな牙をもち、こわい顔をしたこのサメは、海の事故ではまっさきに名前があがります。
そんなおそろしいホオジロザメ、最近になって、人間へ攻撃する理由の多くは「カン違い」であること、このサメはある時期になるといっせいにある場所に集合することなど、たくさんの謎がわかってきました。

ホオジロザメはどこにいて何を食べているの?

ホオジロザメは全世界の海に分布し、岸近くによく出現します。特にアメリカのカリフォルニア、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカに多く生息し、日本でもよく目撃されています。このサメは主に魚や鳥の他、イルカやアシカ、ラッコやアザラシといった海棲哺乳類を餌としています。
とくに注目すべき点は、ホオジロザメは成長とともに海棲哺乳類を好んで食べるようになることです。生まれたときは1.2~1.5メートルほどのホオジロザメは主に魚を食べますが、全長3~4メートルを超すころには海棲哺乳類中心の食生活へと変化します。このサメの歯のふちはノコギリのようにギザギザになっていて、獲物の肉をえぐりとるのにぴったりな形をしています。ホオジロザメの餌のとり方は荒っぽく、後ろから獲物に噛みついて頭を振り、強い顎の力とノコギリ状の歯を使って獲物をかみちぎる、というものです。大型のホオジロザメの噛む力は1.8トンにもなると言われ、現在の海産魚類の中では最強クラスとされています。
 

ホオジロザメはなぜ人間に攻撃するの?

ホオジロザメは気性の荒いサメであり、こちらが危害を加えずとも攻撃してくる可能性があるため、「世界で最も危険なサメ」のひとつとされています。
事故にあった人にはダイバーやサーファーが多いのですが、これはホオジロザメが人間とある動物を見間違うためとされています。その動物とは、アシカやアザラシです。特にサーフボードに乗って手足を動かしているサーファーは、下から見ると怪我をしてぶかっこうに足をばたつかせるアシカやアザラシに見えるのです。このため、ホオジロザメは人間を好物のアシカやアザラシと間違え、攻撃してしまうとされています。
また、サメは嗅覚が鋭く、中でも血の匂いにとても敏感です。そのため、スピアフィッシングで獲物をぶら下げている人や、怪我をしているのに海水浴をしている人は、サメを「ここにいるよ、攻撃してごらんよ」と誘っているようなものなのです。

 

みんな集まれ!ホオジロザメのカフェ

最近では、生物に小型の記録計をとりつけて行動を探る「バイオテレメトリー」という手法により、ホオジロザメが長距離を回遊すること、そしてある場所にいっせいに集まることがわかってきました。
カリフォルニアのホオジロザメは4月上旬から7月上旬には行方不明となることが知られていました。実は彼ら、夏が終わると西へ2,000~5,000キロメートルの距離を回遊し、太平洋の真ん中、ハワイとメキシコの間にあるポイントから半径250キロメートルの「ホオジロザメのカフェ」に留まることがわかりました。
 

このように大規模かつ季節的な回遊は毎年行われ、理由は不明ですが交尾相手や餌を求めての行動ではないかとされています。ニュージーランド近海では餌となるクジラを求めて約3,000キロメートル、南アフリカのホオジロザメではなんとインド洋を横断してオーストラリアまで、約10,000キロメートルを泳いだと報告されています。海水浴客には嫌われ者のホオジロザメですが、仲間と優雅にカフェに集い、長い距離を回遊するアグレッシブな面もあるなど、怖さだけでなくたくさんの驚きと魅力を秘めた生物と言えるでしょう。
 

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「こんにちは!ジンベエさん」編集部

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