2017年08月24日 海の生き物
サメについてのウソとホント

「人間はサメのエサ」はウソ? それともホント?
映画やドラマなどのイメージで、すべてのサメが人間を食べると誤解されています。実はサメは人間をエサとしません。
サメに攻撃された人間の事故は大々的に取り上げられますが、サメは人間をエサとするつもりで襲ったわけではありません。
ほとんどの場合、サメは人間をエサであるイルカやアザラシと見間違えているのです。
つまり、映画やマンガなどによく登場する「人喰いザメ」は現実世界にはいないので安心してください。
では、サメは何をエサとして食べるのでしょうか?
ほとんどの種類のサメは魚やイカ、カニなどをエサとします。
エサの食べ方はサメの種類によって大きく異なります。
たとえば、ジンベエザメなどのフィルターを通してエサを食べるサメは、口を大きく開けて大量のプランクトンや子魚を一度に丸のみするように食べます。
対して、ホホジロザメは鋭い歯を使って噛みちぎるようにエサを食べます。
すべてのサメが大きくて、鋭い歯を持っているのはウソ
すべてのサメが大きいとは限りません。
世界には何種類のサメがいると思いますか?
なんと400種類以上ものサメが世界にいるんですよ。
現存するサメの中で最も大きな体を持つのはジンベエザメ。
体長はなんと12メートルにもなります。
対して、小さなサメだと約20㎝しかないものもいます。
また、すべてのサメが鋭く光る歯を持っているというわけでもありません。
意外にも、ジンベエザメの歯はとても小さく、噛みちぎるなどの行為はできません。
ジンベエザメに次いで大きいウバザメもまた、とっても小さな歯をたくさん持っていますが使うことはありません。
映画の中でみる人間を襲う凶暴なサメはごく一部のサメです。
世界には小さなサメがたくさんいれば、鋭さが全くなくて役に立たない歯を持つサメもたくさんいるということですね。
実はサメは海の正義の味方だった!?
サメは、海の中にいるありとあらゆる生物を食べ荒らす悪者として描かれがちです。
しかし、これは大きな間違い。
サメは海でとても重要な役割を果たしています。
サメがたくさんの海洋生物を食べるのは事実ですが、サメのおかげで海の生物たちのバランスが保たれているのです。
たくさんの種類のサメが海の食物連鎖のトップに立っています。サメがエサをしっかりと食べることで、食物連鎖のバランスが保たれるのです。
もし、食物連鎖が崩れると、ある生物の数が増加して、ある生物の数が減少してしまいます。
最悪の場合は、絶滅する生物が出てくることもあるのです。
サメは海の生物の敵に見えますが、実は他の生物が絶滅するのを防いでくれているのです。
サメは無敵の生物はウソ!?
一見すると、敵なしで無敵のイメージがあるサメ。
しかし、サメが無敵の生物であることは大きな間違いです。
実はサメには唯一の天敵ともいえる生物がいます。
その生物とは、私たち人間です。
サメのヒレは市場で高く売れます。
お金目的で、サメを違法にたくさん獲る人のせいでサメの数が減少しているのです。
また、ホホジロザメなどのように常に泳ぎ続けなければ死んでしまうサメもいます。
そういったサメが漁師の仕掛けた網に運悪く引っかかって、身動きが取れずにそのまま死んでしまうこともあるのです。
先ほど説明したように、サメが存在することで多くの海洋生物が健康的に生きることができています。
サメを守ることは、海の魅力的な生物だけではなく、海の生物から恩恵を受けている私たち人間を守ることにもつながります。
サメが人間を「よく襲う」というは大ウソ!
2016年に人間の手によって殺されたサメの数は約1億匹。
それに対して、サメに襲われて亡くなった人々の数は4名です。
サメは世界中の海にいますが、人々を襲うことはほとんどありません。
サメがたくさんの人々を襲うのは映画の中の世界だけです。
サメに襲われる確率よりも、雷があなたの頭の上に落ちる可能性の方が高いのですよ。
基本的にサメが人間に危害を加えることはありません。
ジンベエザメは海の紳士と呼ばれるほど穏やかな性格で、たくさんのダイバーがジンベエザメと泳いでいます。
もちろん気性が荒いサメもいますが、そのようなサメばかりにスポットを浴びせるのはよくないですね。
優しいサメがいるということも知っておいてください。