2017年10月30日 海の生き物
目があるけど脳はない!?ヒトデのこと、どれだけ知ってる?

ヒトデは魚じゃないって知ってた?
ヒトデは海の中でも生活できるので、魚類に属すると勘違いする人もいます。
特に英語圏では、ヒトデはStarfishと呼ばれるので、多くの方が「ヒトデは魚だ!」と思っています。
しかし、ヒトデには魚が持つエラも、うろこも、そしてヒレもありません。
また、移動の仕方も魚とは異なります。いつもじっとしているイメージが強いヒトデが動けることをご存じでしたか?
魚はヒレを動かして移動しますが、ヒトデは体の裏側にある吸盤を利用して移動します。そして、意外と速く移動できるのです。
まるで夜空に輝く星と同じくらいたくさんの種類のヒトデがいる
ヒトデは魚類ではなく棘皮動物(きょくひどうぶつ)に分類されます。棘皮動物にはヒトデのほかに、ウニやナマコなどが属しています。
なんと、世界中には約6,000種類もの棘皮動物がいると言われています。
ほとんどの棘皮動物は対称軸が3本以上ある体をしています。つまり、棘皮動物は体の中心を軸に構成されているということです。
星の形をした多くのヒトデは5本腕を持っているので、ヒトデは対称軸が5本あるということですね。
また、ヒトデには右側や左側がありません。あるのは、上側か下側だけ。
そんなヒトデの種類は約2,000種類。海岸に生息するヒトデもいれば、深海に生息するヒトデもいます。
ほとんどのヒトデは熱帯地方に生息していますが、寒いところでもヒトデを見つけることはできます。
北極圏のような極寒の地域にもヒトデはいるんですよ。
血液もない、脳もない。ヒトデはどうやって生きてる?
ヒトデには血液も、脳もありません。しかし、生きるためには酸素が必要で、血液が流れる血管は酸素を体に送る大切な気管。
実は、ヒトデには水管と呼ばれる血管のようなチューブが体にあります。
血管と大きく違う点は、水管に流れているのは血液ではなく海水ということ。ヒトデは海水を体に循環させて、酸素を取り込んでいるのです。
さらに面白いことに、ヒトデには目があります。
脳や血液はないのに、目があるのは興味深いですよね。
では、どこにヒトデの目はついているのでしょうか?
ヒトデの腕の先端をよ~く見ると、小さな赤い点があります。これが目です。
各腕に目はついているので、5本腕のヒトデには5個の目があり、20本腕のヒトデには20個の目があるということです。
しかし、ヒトデの目の性能はそれほどよくありません。
明かりを感知できる程度で、はっきりとモノの区別はできません。
ヒトデは体を守る鎧を着ている
ヒトデの種類にもよりますが、ヒトデの肌を触ってみると革を触っているような感覚、もしくはとげとげとした感覚を受けます。
ヒトデの表面は炭酸カルシウムでできた固い鎧のようなもので覆われています。
この鎧には、とても小さなトゲがついていて、鳥、魚、そしてラッコのような天敵から身を守るために使われます。
ちょっと恐いヒトデのエサの食べかた
ヒトデも生き物なので、生きるためにエサを食べる必要があります。ヒトデは、ムール貝やハマグリ、そして小魚などをエサとします。
一度試してみると分かりますが、生きたムール貝やハマグリなどを開けるのは非常に難しいです。しかし、ヒトデはユニークな食べ方でいとも簡単に貝を食します。
ヒトデの口は裏側にあります。エサを捕まえると、ヒトデは腕でエサを覆います。
そして、ゆっくりと時間をかけて、貝を少しだけ開けるのです。
ここからが、驚くべきポイント。ヒトデは胃を体の外に出します。
そのまま胃は貝の中に入り、エサを消化して吸収します。
まるで映画などに出てくる怪人かのように、口ではなく胃袋で直接食べるなんて、ちょっと怖いかもしれませんが、もしヒトデが捕食しているシーンに出会えたら、じっくりと観察してみるのもいいですよ。
それでは、よい旅を!