2017年11月20日 海の生き物
こわっ! ダイオウイカの不気味な生態

鳥肌立つダイオウイカの基本情報
平均体長10m、体重200㎏のダイオウイカは世界最大の無脊椎動物です。10mというサイズをなかなかイメージできない方は、路線バスを思い浮かべてみてください。一般的な路線バスとダイオウイカはだいたい同じサイズです。発見された中で最も大きなダイオウイカの体長は17.5m、体重はおよそ1トンもありました。
大きな体を持つダイオウイカですが、驚くことに研究はほとんど行われず、その実態をなかなか解明できていないのが現状です。
研究不足な理由は、ダイオウイカが深海にすんでいるから。
生きたダイオウイカの撮影に成功したのは2004年とつい最近のことです。それまでは、海に流れてきたダイオウイカの死骸などで研究がすすめられてきました。
そんなダイオウイカは日本にも住んでいます。
実は2004年にダイオウイカの撮影をしたのは日本人であり、2013年には小笠原諸島父島の深海でダイオウイカを撮影した映像が公開されました。
その映像は、日本だけではなく世界中で大反響を呼びました。
ダイオウイカの目玉はとんでもなく大きい
イカのトレードマークの1つが、ギョロリとした大きな目玉。小さなイカの目玉も大きいですが、ダイオウイカの目玉は私たちの想像を超える大きさなのです。
ダイオウイカの目玉の大きさは、直径およそ27㎝。よくダイオウイカの目玉はバレーボールと同じ大きさだと言われます。
研究者は、深い深海でも多くの光を集められるように目玉が大きくなったと考えています。
ダイオウイカのエサの食べ方はかなり恐いです。
大きな目玉で獲物を見つけると、触腕と呼ばれる2本の長い腕で獲物を掴みます。
その後、残りの8本の腕で獲物をかかえ、鋭くとがった口で削り取るように獲物を食べると言われています。
想像するだけで、恐ろしいですよね。捕まったら、逃げる術がありません。
敵の敵は友! ダイオウイカとクラゲの友情
敵の敵は味方、とはよく言います。
この言葉は、クラゲとダイオウイカの関係性にピッタリです。
種類にもよりますが、クラゲには生物発光と呼ばれる能力があります。生物発光とは、自らの体を光らせる能力で、クラゲのほかホタルなどにもみられる能力です。
ダイオウイカは、クラゲをエサとする魚をエサとします。
つまり、クラゲが天敵に攻撃されているとき自らの体を輝かせることで、ダイオウイカにエサの存在を知らせることができるというわけです。
クラゲはダイオウイカに救われ、ダイオウイカはクラゲのおかげでエサにありつける。
2013年に公開された深海でのダイオウイカの映像は、クラゲの光を利用して撮影することができたのです。
深海カメラにクラゲのように光るルアーを取り付けたところ、光につられたダイオウイカがカメラの前に現れました。
その様子をとらえたのが、2013年に公開された映像というわけです。
ダイオウイカの脳はドーナッツみたい
不気味な生態のダイオウイカですが、特に不気味な点は脳に穴が開いていて、ドーナッツみたいになっていることです。
さらに、食道が脳の穴の中を通るという不気味っぷり。
そのため、ダイオウイカは気をつけながら食べ物を飲み込まなければいけません。
もしエサを大きなまま飲み込むと、飲み込んだエサが脳にぶつかって、脳が傷つく恐れがあるからです。
ダイオウイカにも天敵がいた!
無敵に思えるダイオウイカにも、やはり天敵がいます。
その天敵が、四角い頭のマッコウクジラ。
マッコウクジラの体長はダイオウイカよりも大きい18m。
マッコウクジラの四角い頭の中には、脳油と呼ばれる脂が大量に含まれており、脳油のおかげで深度3,000mまで潜水できるのです。
マッコウクジラのお腹の中からダイオウイカが発見されることは多々あり、マッコウクジラがダイオウイカを食べている様子を撮影した写真まであります。
世界中に何体のダイオウイカが生息しているのかは明らかになっていませんが、多数のダイオウイカがマッコウクジラの犠牲になっているのは間違いありません。
伝説の「クラーケン」のモデルと言われるダイオウイカ。
深海の世界には、ダイオウイカを始めとした未解明な生き物が数多く生息しています。
水族館では深海の世界を垣間見ることもできます。
ダイオウイカの剥製を展示している所もあるので、ぜひ見てみて下さい。
その大きさに、きっと驚くはずです。
それでは、よい旅を!!