2017年11月24日 ジンベエザメ
ジンベエザメって眠るの?サメと睡眠の秘密

サメは泳ぐのをやめると死んでしまう?
「サメは泳ぐのをやめると死んでしまう」という説は、半分正解で半分不正解です。
世界中に何種類のサメがいるかご存じですか?
なんと、世界には400種類以上ものサメがいるといわれています。
サメの中には、常に動き続けなければ死んでしまう種類もあります。しかし、動きを止めても死ぬことはないサメがいるのも事実です。
サメに限らず、なぜ多くの海洋生物は動きを止めると死んでしまうのでしょうか?
理由は、海洋生物の呼吸の仕方にあります。
海の中に住む海洋生物もまた、人間と同じように酸素を体内に取り入れて呼吸をします。
でも、どこに酸素はあるのでしょうか?
実は、酸素は海水の中にあるのです。
海洋生物は、海水に含まれている酸素をエラに蓄えることで呼吸します。
口から海水ごと酸素を取り入れて、酸素を取り入れた後はエラから余計な水を排出する、これが一般的な魚の呼吸パターンです。
しかし、マグロやサメのような海洋生物は泳がないと海水を取り入れることができません。
だから、休むことなく動き続けなければいけないのです。
ただ、先ほども述べたようにすべてのサメが泳ぎ続けるわけではありません。
泳ぎをストップできるサメは、噴水孔という穴を持つ種類のサメです。
噴水孔から水を吸って呼吸できるので、動き続ける必要はありません。
噴水孔は主にエイやテンジクザメなどに見られます。
ジンベイザメも目のすぐ後ろに噴水孔があり、遠くから見ると4つ目を持っているように見えます。
サメは泳ぎながら眠る海洋生物
あなたにとって「睡眠」とはどのようなものでしょうか?
サメが眠るのかどうかは、この問いの答えによって異なります。例えば、人間と同じように横になって、数時間休むことを睡眠と言うのならば、サメは睡眠しない生物です。
しかし意識を停止させて、体を休めることを「睡眠」とするのならば、サメが眠る可能性は十分にあります。
問題は、サメが意識を停止させているのかどうか判明していないことですが…。
1つ言えることは、サメは泳ぎながら眠れるということです。
噴水孔がないサメは、呼吸するために泳ぎ続けないといけません。しかし、そのようなサメは泳ぎながら眠ることができるのです。
どういうことかと言うと、サメは脳を睡眠モードに変えることがあるのです。
完全にではなく、脳の一部を休ませることで、泳ぎながら睡眠をとることができているというわけです。
また、サメは泳ぎ方を使い分けていると言われています。
多くのサメは海の表面まで泳いで、それからゆっくりと下降します。この海に潜っている間は休憩モードになっていて、脳や体を休めていると研究者は考えています。
休憩が終わったら、再び海の表面まで活発に泳ぐのです。泳ぎ方を使い分けることで、エネルギーを回復できている、つまり睡眠をとれているというわけです。
サメは人間のように深い眠りをとることはありません。
ある研究では、サメは脳ではなく脊髄からの信号で泳いでいると言われています。
もしこれが正しければ、サメは脳を休ませながら泳ぐことが可能ですよね。
サメの睡眠についてはまだまだ謎だらけ
海の中に住む海洋生物は、人間のようにぐっすりと眠ることはできません。
ぐっすりと眠ってしまうと、敵に命を狙われてしまうからです。噴水孔がある海洋生物が動かずにジッとしている時でさえも、意識があり周りを見渡していると考えられています。
24時間サメを監視し続けることは難しいです。
それゆえに、サメの睡眠習慣は大きな謎に包まれています。サメが夢を見るのかどうかさえも分かっていなければ、それを証明する方法もわかっていません。
今のところ言えるのは、サメは人間のようにぐっすりと眠ることはないということ。
そして、ぐっすりと眠ることはないが、休息は確実にとっているということです。
これから研究が進むにつれて、サメの睡眠に関する驚きの事実が明らかになるかもしれません。