2017年05月11日 沖縄の海
沖縄の海に落ちた無数の星の正体とは!?

星の砂はもともと生き物だった!?
残念ながら、沖縄の浜辺に本当の星が落ちてくることはありません。しかし、星の形をした砂をたくさん見つけることができるのは事実です。
この星形の砂の正体は、有孔虫という生物の死骸なのです。
有孔虫は小さな生物なので、目で見ることは難しいです。その大きさは髪の毛の太さと同じくらいと言われます。
そんな小さな有孔虫が地球に誕生したのは太古の昔から。
なんと約5億年前には生息していたことが明らかになっています。
有孔虫は殻におおわれた生物です。殻の中には細胞があり、これが本体です。
イメージ的には、貝殻の中に引っ込んでいるヤドカリです。
有孔虫は数週間から数か月で死んでしまいますが、丈夫な殻は壊れることなく、浜辺や海に化石として残るのです。
有孔虫の殻の形はさまざまで、中には星の形をした殻をもつ有孔虫も。
つまり、沖縄の浜辺にある星の砂の正体は、死んだ有孔虫の殻なのです。
沖縄に伝わる星砂の伝説
星砂の正体は有孔虫が死んだ後に、残った殻でした。しかし、沖縄には星の砂にまつわる伝説があるのです。
その伝説は少しわかりにくいので、少し簡単にしたものを紹介します。
昔々、お空に母星と父星がいました。母星は妊娠をしていて、たくさんの星の赤ちゃんをお腹に授かっていたのです。
ある日、母星は出産する準備ができました。まだ出産する場所は決まっていなかったので、父星は偉い天の大明神にお願いして、出産場所を決めてもらうことに。
天の大明神が出産場所として決めたのは、竹富島の沖の海。そこで母星は無事に赤ちゃん星たちを出産することができたのです。
しかし、物語はハッピーエンドではありません。
竹富島の沖の海は、海の神様である七竜大明神のお家。許可なくお家で出産された七竜大明神は怒ってしまいます。
そして大蛇に星の子たちをかみ殺させるのです。星の子どもたちを食べた大蛇のフンが星の砂になりました。
かわいそうだなと思った東美崎の神は、星の子どもたちの骨を集めて天国に返してあげようと考えます。
東美崎の神のおかげで、星の子どもたちは天国に行けます。
そして、母星が住んでいる牛の方向は天国に行った星が多く輝いていると言われています。
かわいそうなお話ですよね。
この伝説の舞台となった竹富島は沖縄県に位置します。昔の人は、星の砂の正体は、赤ちゃん星だと考えていたのです。
沖縄に星の砂が集まる理由
日本にはたくさん浜辺がありますが、なんで星の砂は沖縄の海でたくさん発見することができるのでしょうか?
その理由は、サンゴ礁です。
沖縄の海にはサンゴ礁がたくさんあります。星の砂の正体である有孔虫は、サンゴ礁が生息しているきれいな海が大好きなのです。
有孔虫が普段生息している場所は、海底の表面から深い海底までさまざまです。これは種類によって異なります。
小さな有孔虫の餌であるプランクトンや有機物などがサンゴ礁がある海に豊富に生息しているのです。
だから、たくさんの有孔虫が沖縄の海に集まり、寿命が尽きたら星の砂となって沖縄の浜辺にやってくるのですね。
星の砂がたくさん集まる浜辺
星の砂がたくさん集まる浜辺で有名なのは2つ。1つは、先ほど紹介した伝説の舞台となった竹富島です。特に竹富島のカイジ浜は星砂ビーチとして有名です。
手のひらを砂に押し付けて、手についた砂を見てみてください。くっきりと星の形をした砂が見ることができるはず。
もう1つ有名なのが、同じく沖縄県に位置する西表島の星砂の浜。
星砂の浜も、カイジ浜も海が透明できれいです。
水温も高いので、海水浴やシュノーケリングにピッタリですよ。